覚えてますか?6秒ルール
このところサッカーを観ています。ワールドカップです。先日の男子の最終予選も観ましたが、U-20女子2024コロンビア大会です。日本も危なげなく決勝トーナメントに進みましたが、とにかく北朝鮮が強い、走力と連携力でアルゼンチンもオランダも蹴散らしてました。同大会の予選を兼ねた今年3月のU-20アジアカップで、グループリーグと決勝戦、2度も敗れた北朝鮮と再び対戦するのは決勝のようでひと安心。
さて話は変わって今日観た「アルゼンチンvsコスタリカ」 決勝トーナメント進出がかかるアルゼンチンに対しすでに2敗で敗退確定のコスタリカが最後まで諦めない姿勢を貫く良いゲームでした。1対0アルゼンチンリードで迎えた後半アディショナルタイム9分も残り1分を切ったところでボールを持ったアルゼンチンGKが時間稼ぎのためでしょう、ボールを両手で抱えてペナルティエリア内をトコトコトコトコ歩いています。
私が小学校でサッカーをしていた時代はボールを持ったら4歩まで、みたいなルールがあったと思いますが、さすがに最近は聞きませんね。主審を務める中国のDONG Fangyuさんが注意を与え時計を一瞥しリリースを促します。一旦は蹴るような動作を見せたGKは、相手選手が詰めてきたからというそぶりでその動作を止めます。そこでDONGさんの表情が一変。GKに詰め寄るとペナルティエリア内からの間接フリーキックをコスタリカに与えます。
不勉強な私などはここで「?」が山ほど湧いてきてしましたした。遅延行為ならイエローカード。場所がペナルティーエリア内なのでP Kのはず、なんならこのGK、10分ほど前にすでに遅延行為てイエローをもらってますので退場です。アルゼンチンの監督はこの大会で採用されているフットボール・ビデオ・サポート(FVS)がで「ビデオチェックお願いします」的な意味の濃紺のカードを振りかざして烈火のことく怒り狂っています。
しかし間接フリーキックはそのまま行われ、アルゼンチンディフェンスにブロックされあっさりタイムアウト、ゲームセットでアルゼンチン決勝トーナメント進出です。コーチ陣に取り押さえられていた監督はまだ不満そうです。
「?」が湧いたらそのままにしないのが私の数少ない良いところ、早速調べてみましたら、「6秒ルール」が適用されたようだとわかりました。そういえばありましたね、こんなの。「床に落としても6秒以内に拾い上げれば食べられる」というご都合主義的なものではなく、GKがボールを両手等で保持している間、相手選手はそこにチャージはできない、その代わり、その保持した状態を6秒以上続けてはいけない、というルール。実際のところ6秒以上保持していることなんて本当にザラなのですが、それでもペナルティーエリア内でGKが移動する場合は一旦ボールを離してドリブルしたりしますよね。それを怠りトコトコと10m近くも歩いた姿にDONGさんは憤慨し、優しく注意したのにそれを反故にされたことで決断したのでしょう。
もしうっかり遅延行為でイエローを出していたら残り数秒残してGK退場、交代枠は残っていましたが交代機会を使い切っていたこともあり、この状態でのPKで同点になっていたらアルゼンチンは予選敗退、ガーナが進出していたことになります。もちろん間接フリーキックでも大変なピンチですが、このGKの所業には丁度いい罰則な気がします。
このような状況で、今ほとんど聞かれなくなった「6秒ルール」を適用し「間接フリーキック」で腑に落としたDONG Fangyu主審、只者ではないと思いました。ちなみにこの方、先のアジアカップでも日本と北朝鮮の決勝を吹いた方のようです。
この辺りの騒動、FIFA+のフルタイム配信で見られます。ゲーム時間90+9分くらい、動画時間で2:10:00くらいです
ちなみに掲載イラストはAIのAI(Adobeイラストレーターの生成ベクター機能)に「満員のサッカースタジアムを背にVARのジェスチャーをする黄色いユニフォームを着た女性主審の凛々しい姿」とリクエストして描いてもらったものです。どうでもいい挿絵にはもってこいですね。
【追記】6秒ルールについてご指導いただきました。実情として6秒を正確に測ることが難しいため、あからさまな場合は主審が一旦催促し、それでも続けた場合はすぐに笛を吹いて間接フリーキックだそうです。ちなみにこれを8秒にして残り5秒でカウントをはじめることとし、再会もコーナーキックやスローインに変更する動きがあるそうです。